2023年01月11日(水)
最終更新日:2023年2月27日
筏師とは?
北山村をプライベートで散策してきました♡
和歌山県 北山村は、日本で唯一『所属している都道府県に隣接していない』飛び地の村です。おとなりは実は奈良県と三重県。なのになぜ和歌山県 北山村となったのでしょうか?
その秘密は 筏師 (いかだし)の存在に隠されています。
北山村は面積の97%が山林です。住む人々は第一次産業、特に林業に従事している人がたくさんいました。昔から良質な木材が採れたため、それを売り利益を得ていました。材木となる杉を市場に運ぶ仕事、それが筏師だったのです。600年もの歴史があると言われている筏師のしごと、当時に自動車などあるわけがありません。材木を運ぶために木を組んで船にする→いかだ にしてそれに乗り、川を下り木場・港=新宮まで運んだのが筏師さんなのです。
現在の北山村近隣の筏師さんたちが目指した新宮は和歌山県。筏師は村の人口の大半をしめ、明治の廃藩置県で新宮が和歌山県となったとき、『我々もぜひ新宮のある和歌山県に!』とお願いした歴史がありました。
筏師さんが新宮まで川で流れ着き、帰りはどうするか? そう、自動車やそれが通る道路の普及はまだ随分先のこととなり、北山村まで歩いて帰って行きました。
筏師が行き来した道、水路と陸路がありますが、それが『筏師の道』と現在呼ばれています。※もともと筏道といわれていたそうです
この道は奈良、和歌山、三重県の筏師が切り開いたものを、地元の方や現在の筏師たちが元の道を探索・整備したものをハイキングロードとして紹介しています。これらは南紀熊野ジオパークのジオサイトにも選定されています。
名物ガイド平野さんと行く『筏師の道 ウォーク』ツアー
なかよくしてもらってる嶋津観光協会の 平野皓大さんに誘われ、久しぶりに筏師の道を歩いてきました。平野さんの居る『嶋津』も とっても魅力的なところ。
都会の生活から生まれ育った地をに戻り、今はガイド業を中心に活動していらっしゃいます。
南紀熊野ジオパークの北エリアリーダーもかつて務め、おじいさまが筏師だったという経歴の持ち主。いまは観光筏の筏師もされています。地域の方へのヒアリングをみっちり行い歩きまわったガイドツアーは面白さ格別です。ご本人もそうとう興味深い人間です(すいません)。
そんな彼が連れていってくれた筏師の道 のいいところをチョイスしたウォークコース。
田戸の駐車場からスタートし、東の峠〜下滝・小松(不整合のあるとこ)まで目指しました。
平野皓大 ガイド@嶋津観光協会
(現在の)筏師、南紀熊野ジオパークガイドでもある。真面目そうに話している前節 部分
田度の駐車場を望む
郵便局前の駐車場から出発。ここは奈良県、向かいは和歌山県、左奥が三重県となる
ユズリハ
北山村の正月飾りの門松には、
このユズリハと、松やサカキ、クロモジなどをあしらったらしい
ミツマタ
コウゾなどと同様に和紙の材料となる植物。南紀では子供時代にこれを採っておこづかいにしたよ という話をよく聞く
アルマイトのオベント箱
元探検部の弁当が素敵だったので記しておきたい。パイナップルは入らず、キクラゲの入るスタイルの酢豚だそう
立会川の吊橋
かなりしっかりとした作り。これが怖いとトロッコが通っていた道はきびしいかもしれない
立会川
吊り橋付近から見えた清流 冬で雨がふっていなかったタイミングで透明度がすばらしい
小和田の瀬を望む
ここ結構大変そうだったと、ラフティング体験を思い出す(自分で漕いだ場合を一応考えるのでw)。アウトドアクラブ アイスマンの海野さんにお世話になりました
トロッコが通っていた道
八丁川原という場所から木材を運んでいた道。ここにレールを通したという先人達の努力と偉業に乾杯するために家に帰ってビールを飲もうなどとのんきに話ながら歩いている様子 この前整備してくれていた皆様にも感謝です☆
有蔵集落あと
アンゾーと読むそうです 個人的にはここスキーポイント
ビューポイント
エディがまきまきしていて少しエグいがすばらしい景観であった
今回は行程にして10km程度になったようです。気になるところは全部寄ったちょいとハード目なので、お客様のご希望に合わせて平野ガイドがいい塩梅にコース構成をしてくれるそうです(パンフレットだと6km程度)。2023年はぜひ『筏師の道』を歩いてみませんか?
お問い合わせは下記にお願いいたします。
嶋津観光協会 担当 平野皓大(ひらのこうだい)さん 和歌山県 新宮市 熊野川町 嶋津5 080-3611-9402 FBページ